第1章「変わらない日常」 -暗い考え-
着替え終わってリビングに行くと祐輔はテレビを見ていた。
「朝食、食べるなら祐輔の分も作るけど?」
テレビを見ている祐輔に尋ねる。
「いや、食ってきた。」
「そっか、食べてくるからちょっと待ってて。」
そういうと僕はキッチンに行き、牛乳とシリアルで簡単に済ます。
「じゃあ行こっか。」
と祐輔に言い戸締りを済ます。
「学校行く前に寄るのか?」
玄関のドアを閉めたところで祐輔が尋ねてくる。
お墓参りのことだろう。
時計を見ると、結構余裕があった。
「そうだね。時間もあるし放課後バイトもあるから先に行こうかな。」
「了解。」
祐輔と一緒に目的地へ向かう。
花は途中にある店で買った。
目的地に着くと2人で周りを掃除し、花を換え、目を閉じて拝む。
そのあとは急いで片付けをして学校へ向かう。
思ったよりも時間がかかったのか学校に着いたのは始業開始3分前だった。
昇降口で祐輔と別れそれぞれの教室に向かう。
席に着くとすぐチャイムがなり、先生が来てホームルームが始まった。
連絡事項をいろいろ説明していたのだが内容はほとんど頭に入ってこなかった。
途中、歓声が上がってたのだが何のことだかわからなかった。
理由は考え事をしていたから。
去年の事故、どうして僕だけ助かってしまったのだろう・・・
思考がどんどん暗い方向へいってしまう。
自分の悪い癖だとわかっていても直らない。
キンコーン、カンコーン。
ホームルーム終了のチャイムが鳴る。
今日の1限目は移動教室なので準備をして立ち上がった。
「チャイムに助けられたかな。」
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